テクノウエーブ事件、
ついに県労委にて全部救済命令交付!!
7月15日、テクノウエーブ(株)に全部救済命令が交付された。2月18日の結審から5ヶ月を経て、当初の団交拒否についての申立内容に加え、労働委員会調査後に再開された団交で不誠実団交を重ねた件についての追加申立分についても、組合側の主張が全面的に認められ全部救済を勝ち取ることができた。
テクノウエーブ事件は、2012年冬季一時金要求に対する会社の対応から始まった。鳥居社長は、過去数年に積み重なった繰越欠損を、組合の要求に応えられない原因に挙げたにもかかわらず、内容について説明を拒み団交を拒否し続けた。そのため組合は翌2013年6月に労働委員会に救済申立を行った。労働委員会の調査開始、ようやく団交が開催されたが、顧問弁護士は補佐人を辞退したため、新たに執行役員S氏が交渉に参加するようになった。当初執行役員S氏は誠意を見せたため組合側も非常に期待したのだが、すぐに社長の言いなりになり、会社の経費等についての質問を機密事項などとして回答を拒否するようになった。同時に加入した社労士も、社長の回答拒否を堂々と肯定し、会社の違法行為を助長させた。
2014年7月の組合側証人尋問、8月の会社側証人尋問を経ても、会社は和解も拒否し、違法企業となってもかまわないと言う姿勢をとった。和解して組合側の要求を受け入れるくらいなら違法企業となったほうが良いと考えたのである。会社側は労働委員会の命令を軽視している。事実、会社は命令を受け入れ、7月29日に会社の行為が不当労働行為であると認定された旨の文書を組合に手交した。この文書は組合の請求によるものでもあるが、労働委員会の救済命令を担保するものでもある。命令書によると、神奈川県労働委員会事務局としては今後同様の行為が繰り返されるおそれがあるので、文書を組合に手交するよう命令したとある。
会社側は救済申立から命令まで2年以上もの審議を経ても、不当労働行為と認定されるの重要性を理解しなかった。和解拒否後「2014年年末一時金要求書」に対して、団交もせず社員向けにゼロ回答を告知してしまい、その後の団交において告知の撤回を拒み2014年度の決算書についての説明を「労働条件に関係ない」などと理由をつけて拒んだ。そのため組合は2015年6月に再び救済申立を行わねばならなかった(テクノウエーブ(その2)事件)。
7月15日に全部救済命令が出た後、7月17日にテクノウエーブ(その2)事件で会社が提出した準備書面には全面的に争うと言う主張がなされていた。決算書の項目についての説明拒否という不当労働行為認定を受けた行為を繰り返しておきながら、不当労働行為に当たらないと主張してきたのである。7月29日の第一回調査でも争う姿勢を貫いた。
組合側はテクノウエーブ事件の命令にもとづき団交要求し、まもなく団交が開催される。会社側の対応が注視される。組合としても、手綱を緩めることなく、今回の全部救済を活かし労使交渉に役立てていくつもりだ。