自公政権の労働政策を問う
7月4日、神奈川総合法律事務所所属の嶋﨑量弁護士を講師に招いた学習会が県共闘メンバー24名の参加のもとで、神奈川県技能文化会館に於いて開催された。嶋﨑弁護士は同日、「あんしん財団」による労災認定取り消しをめぐる最高裁での勝利判決を勝ち取ったその足で、勝利総括集会を欠席し駆けつけていただく形となった。
自公政権が推し進めようとしている労働法制の改悪について、限られた時間の中で「解雇の金銭解決」、「ライドシエア」、「フリーランス新法」、「従業員代表(過半数代表者)制」「給特法」と多岐にわたる各法制度について問題提起、アドバイスがなされ、質問も含めて予定時間をオーバーする貴重な学習会となった。
特に時間を費やして問題点が指摘されたのが「解雇の金銭解決制度」だった。現実として労働組合が労働相談等を通じて解雇事案で経営側と交渉、争議する場も多く、この制度が導入されることによって労働者の権利や生活が破壊されることへの危機感の共有につながった。しかし、一方で、解雇撤回の闘いが、結果9割を超える割合で職場復帰ではなく金銭和解で終結という現実を受け止めることが必要になる。制度を導入させない取り組みと同時に、制度が導入されても制度の実効性を失わせるため、日々の交渉や争議の成果を積み上げていくことが組合に求められているといえる。
また、労働組合の組織率の低下に歯止めがかからない中、労使協定を事業主と結ぶ職場代表の選出や役割について、集団的労使交渉の形骸化が「労使コミュニケーション」という一見耳障りの良い言葉で進められようとしていることへの警戒が提起された。
嶋﨑弁護士が具体的な各法制度の問題点として共通に指摘していたのは、財界の口実が「労働者のための法改正」という表現で、労基法、憲法で守られている労働者、労働組合の権利を弱体化したいという本来の狙いを隠していること、そして法改正さえしてしまえば労働者の生活を破壊させるような制度の中身を事後的に改悪できるということを労働者一人ひとりが自分事として自覚することだった。
闘いの砦となる労基法等が脅かされようとしている危機感を各職場で労働者個々人に自覚してもらうことが労働組合に求められているともにガンバロー。
八木