地域別最低賃金の全国一覧
神奈川労働局は8月29日、2024年度の神奈川の最低賃金を50円引き上げ、1162円とすることを決定した。これにより、県下の最低賃金は10月1日より同額に改定されることになる。
全国一般神奈川は、これより前の神奈川最低賃金審議会にて、神奈川の最低賃金を「時給1500円で全国一律にすること」を訴えてきた。時給1162円になると、パート・アルバイトの賃金は、月150時間働いて17万4300円である。社会保険料や税金を引くと、手取りはさらに減る。さらに、パート・アルバイトで働く労働者は年間106万円を超えると、所得税、住民税の対象になり、健康保険にも加入するため、更なる負担増となっている。
政府はこれらの矛盾が表面化するのを避けるため、「年収の壁を意識せず働ける」として、企業に対し、1人あたり10万~30万の助成金を企業に支給するとしたが極めて不確かな支援策というほかない。
物価上昇の影響の先が見えない中、最低賃金制度が労働者が安心して暮らせる制度には到底なり得てはいないが、労働者の生活を守るため、少なくとも最賃の厳守を点検・監視していこう。
米山