2024春闘方針を確認
6年ぶりの地方開催
第29回全国協各県代表者会議は6年ぶりに東京を離れ、群馬県教育会館を会場にZOOMと併用して開催され、神奈川からは1名が会場参加した。
1日目、平賀委員長が開会あいさつで能登の大震災や羽田空港の事故に触れ、世界が曲がり角に来ており、今春闘は全国協にとって試金石であると発言された。池内書記長から方針提起が行われ、その後、大野副委員長が「労働基準法の解体を許すな!『新しい時代の働き方に関する研究会報告』批判」を報告した。厚生労働省が経団連と一体になり使用者が使いやすい労働力を手にできるようにスティルスで労基法に手を加えようとしている。「労使自治」の名の下の団結権解体・労働基本権剝奪を阻止しなければならない。続いて嶋田中央執行委員から最低賃金について、日本が他国に比べ低い理由や、2年連続物価上昇に最低賃金の改正率を上回った大問題について報告があった。そもそも群馬県を開催地としたのも関東で最低賃金が一番低いからであり全国協は最低賃金を重要課題と位置付けている。24春闘で最低賃金4月再改訂の申し入れなどに取り組み、職場と地域で連動して闘おう。星野中央執行委員からは均等待遇・同一労働同一賃金の実現を目指し闘ったキステム裁判について報告と「公正判決要請署名」の要請があった。
2日目は業種・課題別の報告討論が行われた。ゼネラルユニオンからALT(外国語指導助手)の業務内容は変わらないのに雇用形態が3種あり、派遣ALTの賃金が低いことなどの問題点が指摘された。ケアワーカーズユニオンからは山紀会争議報告と、同様に多くの現場で介護崩壊している状況が報告された。低報酬により慢性的な労働者不足が続けば制度が破綻する。闘いは介護労働者だけでは決着しない。
各地区報告では、10組の所属組合が春闘の取り組みや反原発、反戦争の活動を報告した。多くの組合が組織拡大や強化を課題にしており、様々な取り組みが紹介された。それらを参考に決意を固めることができ、最後に方針が確認された。
世界では戦争が中東に飛び火し、日本の政治・社会も壊れ、課題は山積しているが、怯むことなく闘いは続けなければならない。京都ユニオンの「あれもこれもやっていく」と坦々とした、しかし力強い発言を引用し、星野中央執行委員が「あれもこれも闘い、勝利するため団結ガンバロー」と締めた。
群馬の森 朝鮮人労働者慰霊碑
今年は会議終了後、有志で「群馬の森」の戦時中に強制連行された朝鮮人労働者の追悼碑にお参りした。翌1月29日より群馬県の行政代執行により破壊されたため最後の日だった。せっかく設立したものを撤去するなど昨今の日本にはびこる歴史修正主義者は過去の改竄が未来の絶望につながることが理解できないのだろうか?労働組合としてどこの国出身労働者であろうと最悪の労働環境に追い込む戦争は許せない。平和への思いを強くする各県代となった。
テクノウエーブ